酸度の仕組み

Acidity, Decoded

「マイルド」なオイルに隠れているもの。

「マイルド」「なめらか」という言葉は、食の世界では好ましい表現として使われることがあります。しかし、脂質の構造という観点では、これらの特徴が品質上の問題を示している場合もあります。

オリーブオイルに個性がなく、口当たりが重く感じられるとき、その原因の多くは遊離脂肪酸の高さ、すなわち酸度の高さにあります。これは、オイルが分子レベルで変化し始めていることを示す指標です。

高酸度のオイルは、構造的に不安定です。酸化が進んだ脂質を摂取することは、安定した脂質を摂取することとは異なります。

日々の脂質の質を考えるのであれば、「エクストラバージン」という表示だけでなく、その先にある遊離脂肪酸の割合に目を向けることが、ひとつの判断基準になります。

分子構造の崩壊という仕組

オリーブオイルの化学構造の中心は、トリグリセリドです。これは、グリセロール分子に三つの脂肪酸が結合した構造です。高酸度は、この結合が切れることで遊離脂肪酸が生じるときに起こります。この加水分解と呼ばれる過程は偶発的なものではなく、果実の品質低下、処理の遅延、または熱によるストレスの結果です。

IOCの基準値が示すも

国際オリーブ協会(IOC)およびコーデックス規格は、エクストラバージンオリーブオイルの酸度の法定上限を0.8%と定めています。この上限は、果実にある程度の劣化があっても「エクストラバージン」として表示できることを意味しています。

酸度と酸化安定性の関

Journal of Food Qualityに掲載された研究は、酸度が上がるにつれて発煙点が低下し、酸化安定性が損なわれることを示しています。酸度0.8%のオイルは、より緻密な分子構造を持つオイルと比較して、保存中および摂取後の酸化が早く進む傾向があります。

鮮度の唯一の物

Food Chemistryに掲載された研究によれば、酸度は収穫時の鮮度を示す最も信頼性の高い指標です。低酸度は、オリーブが健全な状態で収穫され、天然の酵素が構造を分解し始める前に(通常4時間以内に)処理されたことを示す、唯一の物的な証拠です。

 

0.2%という基準の理

私たちは、法定上限の0.8%を品質管理の基準とは見なしていません。このバッチの酸度は、0.2%です。この数値は、マーケティング上の目標ではありません。技術的な到達点です。0.2%を実現するには、業界標準から大きく外れた工程が必要です。まだ青く硬い状態のオリーブを収穫し、打傷を防ぐために小さな通気性のあるケースで輸送し、直ちにコールドプレスで搾油する。この一連の仕組みが、数値をつくっています。

法定上限より75%低い酸度を維持することで、酸化安定性の高い油脂を提供できています。光や軽度の熱にさらされても安定した状態を保ち、成分が劣化する前に利用されやすい状態にあります。

 

数値が、鮮度を語る

酸度は、オリーブオイルの「走行距離計」です。そのオイルが食卓に届くまでにどれだけの負荷を受けてきたかを、数値として示しています。酸度0.2%は、品質の主張ではありません。測定された事実です。品質への「情熱」を信じてもらう必要はありません。数値が、すべてを語っています。

 

 

習慣の一部にしましょう

科学的な説明はもうお読みになりましたか?さあ、実践してみましょう。毎日、本物の食べ物に少しかけるだけで、違いが生まれます。

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